俺と君には共通項がない。
うすうす感づいていたけれど、気づかないフリをしていた。
でも、やっぱりそうなんだ。
俺が君のどこに惹かれたのか。君が俺のどこに惹かれたのか。
交わるところはないのに、俺は君と一緒にいる。
俺と君はこんなにも違っているのに。

寒がり。

暑がり。
そんなときは、俺が一枚余分に着れば大丈夫。

魚料理が好き。

生魚は苦手。肉のほうが好き。
家では生魚食べないから、外食するときは両方あるお店を選べばいい。君は焼き魚や煮魚なら食べられるから、肉と魚は3対1くらいの割合で。

しょっぱいものが好き。

辛いものが好き。
調味料という便利なものがある。

好きな映画のジャンルはアクション。

断然、ホラー!
ふたりで一緒に観るときは、あいだをとってサスペンス。

インドア。

家もいいけど籠りすぎはちょっと…。たまには外に出てリフレッシュしたい。
そりゃそうだ。ずっと家にいるわけでもないし。君が行きたいところがあるのなら、一緒に行く気力も体力もある。

趣味なし。

多趣味とは言えないけれど、やりたいことはいろいろある。
趣味がなくてもやることはある。俺がこっちで君はそっち。同じ空間にいて別々のことをやれる関係性って素敵。そのうち、おなか空いたり出かけたくなったりすれば一緒にすればいい。

芳香剤はシトラス系が好み。

私はフローラル系。
俺はフローラル系も嫌いじゃない。

タイトな服より少しゆったりした服のほうが好き。

太ってみえるから着たときのラインは気にするよね。

同じような色味の服ばかり。

私もだけど、あなたよりは多少カラフル。
お揃いはやっぱりなんだか恥ずかしいから。
ほら、違うところばかり。
共通項なんてない。
でも、それでも構わない。
君と同じところで悲しむことができればいい。
君の悲しみを少しでもわかりたいから。
君と同じところで笑うことができればいい。
君の喜びを少しでもわかりたいから。
どんなに小さなことだって、どんなにくだらないことだっていい。
むしろ。
小さければ小さいほど。くだらなければくだらないほど。
共通項なんて、そのくらいでいい。
線で交わらなくても、点で交わっていればいい。
少しの違いを気にするよりも、少しの同じに気づきたい。
きっとそれが君と長くいられる方程式。
まだこんな時間なのに隣で寝ている君を見て、心の底からそう思う。
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